西洋医学で定義されている貧血とは、血液中の赤血球や血色
素(ヘモグロビン)の量が減少した状態のことです。よく知ら
れているのは鉄分が足りなくて起こる鉄欠乏性貧血ですが、
自覚症状がほとんどなく、健康診断などで血液検査をして、
はじめて貧血だとわかる場合も少なくありません。
これに対して、私たちが普通、貧血といっているのは、人ご
みや満員電車のなか、あるいは入浴中などにクラッときた
り、朝礼などずっと同じ姿勢で立ち続けているときにフラッ
ときて、思わずしゃがんでしまうような状態のことです。と
きには冷や汗がでたり、意識を失うこともあります。
ちなみに西洋医学では、これを脳貧血(一時的に脳の血液量
が減少する状態)と呼んで、貧血と区別しています。しか
し、ここでは一般的な感覚に合わせて、クラッとかフラッと
くるものを貧血と呼び、その改善策をご紹介します。
立ちくらみを起こすのは、自分を取り巻く外界の変化に、体
がスムーズに対応できないからです。たとえば、入浴中は血
管が広がって、血液が脳と体に同じ勢いで流れます。しか
し、風呂から上がると、脳に流れる血液の量が減ってしまう
のです。
この変化にスムーズに対応できない体だと、血液の流れの格
差で貧血の状態になります。
また、貧血を起こしやすい人の体にさわってみると、上腹部
全体が固くなっています。さらにいえば、こういう人たちは
低血圧だったり、汗をあまりかかないことが多いものです。
貧血をはじめとしたこのような症状を改善するには、上腹部
の固さを取る必要があります。
上腹部の硬直をゆるめる方法をご紹介します。
①みぞおち近くに指先が向くように、肋骨を抱える。
②みぞおちに力を集めるように両側から肋骨をよせ、、呼吸
耐える。息を吸うときにゆっくりと手をゆるめる。