鼻は口とともに呼吸に対する大きな役割をになっています。そんな鼻がつまる
のは、ウイルスや温度変化などの外界の刺激から体を守ろうとする、一種の防
衛反応です。鼻水が出るのも同様です。
鼻がつまったり、鼻水がたれたりするのは、昔はたいていカゼの症状だといわ
れていましたが、最近では花粉やダニなどに過剰に反応して鼻水、鼻づまりが
起こるとも考えられています。
しかし、整体法では、鼻のトラブルを考えるとき、どうしても肺の問題にも踏
み込むことになります。
まず、空気を吸うとき、鼻はいくつもの重要な役割を果たしています。ひとつ
は、細かいゴミやホコリ、細菌などの異物を除去して、吸い込む空気(吸気)を
きれいにします。同時に、吸気に適度な湿り気も与えるため、肺が守られるの
です。
体の仕組みは、鼻がつまったら自動的に口で呼吸をするようにできています。
しかし、意識的に口だけで呼吸をすると、口のなかが、次に食道と気管の分か
れ目あたりまでも乾燥し、のどが痛くなります。
また、肺も乾燥して、息が苦しくなってきます。鼻がつまったとき、口でちゃんと呼吸し
ているにもかかわらず、息苦しさを感じるのは、このためです。ちなみに、そんなときは
湯気、つまり水蒸気を吸い込むと楽になります。
鼻水がでるのも、こんなときです。鼻水を出すことで、吸い込んだ空気にたく
さんの湿り気を与え、肺の乾燥を防ぐのです。お年寄りなど、肺が硬直を起こ
し弱くなっている人が、鼻水をたらしやすいのには、こんな理由もあります。
お風呂に入ると、つまった鼻がスーッと通って楽になるのも、このためです。
お風呂の湯気を吸い込むんで肺がうるおいを取り戻すことで、鼻が通って、鼻
水もとまるのです。体が温まると、血液やリンパの流れがよくなるせいもあり
ます。
鼻づまり、鼻水に効果的な体操
1.両手の親指を後頭部のいちばん出っ張っているところから指3本くらい側方(指3本くらい外側にある溝)に当てて、頭を支える。
2.親指に頭をのせるような感じで、そのままゆっくりと上を向く。1回につき1.2回。1日2回(朝,晩)が目安。