長時間、同じ姿勢を続けたり、細かい作業をしていると肩がこ
ります。
この時肩のまわりの筋肉や関節は硬直しており、血行も非常に
悪くなっています。多くの人が経験する不快な症状のひとつで
すが、肩こりは欧米人にはほとんどありません。
なぜなら黒人や白人は、背骨がしっかり湾曲していて、腰や首
に弾力があるからです。腰や首に弾力があると、上体がよく伸
びます。それで肩によぶんな力が入らないので、こらないので
す。
整体法では、肩がこるのは首の弾力が失われているためだとか
んがえます。そして、首の弾力が弱いのは、結局、上半身を支
えている腰の弾力がないせいです。ですから、整体法では、腰
を調整して首の弾力を回復し、首や肩の不快な症状を取り除い
ていく方法を指導しています。
また、食べ過ぎが肩こりの原因になることもあります。肩には
僧帽筋という三角形の筋肉がありますが、その上端は首から後
頭部に、下端は胃の裏あたりにつながっています。
食べ過ぎて胃袋がふくらむと、僧帽筋が下に引っぱられ、まず
背中の上の部分が硬直し、次に肩や首が硬直して、最後には後
頭部にまで硬直が及ぶのです。食べ過ぎと肩こりは一見、関係
がないようですが、筋肉のつき方をみれば、食べ過ぎで肩がこ
るわけが一目瞭然にわかります。
肩がこっていて、食べ過ぎたなと思った時には、腕の三里の急
処を、はじいてみましょう。胃の動きがよくなって内容物の消
化が進むので、早く楽になれます。
腕三里の急処
1.親指のつけ根とひじの外側を結んだ線上のひじ側、役1/4のと
ころにある。
2.腕三里をはさみ、力を加えたまま、小さく左右に4.5回動か
し、はじく。