便が出ないために、苦しい、お腹が張る、肌が荒れるなどの不快感があると
き、それを便秘といいます。逆に、何日か便が出なくても体調に全く問題がな
いなら、それをあえて便秘という必要はありません。排便のリズムには個人差
があるので、毎日排便がないからといって、それが必ずしも便秘であるとは限
らないのです。
整体法では便秘を、消化器系全体の問題として、あるいは、神経的な問題(ス
トレスなど)が原因と、とらえています。健康であれば、空腹時に体を動かす
ことで、胃や腸が活発にぜん動運動を始めて排便反射が起こり、便意が促され
ます。
しかし、胃腸の動きが衰えてくると、消化器がみずからのぜん動運動で、食べ
物を送ることをしなくなります。ですから、食べ物を口からさらに入れて、そ
の分、便を押し出そうなどと考えて大食いするのは逆効果ですからやめましょ
う。
こんなときは少し辛いかもしれませんが、しばらく食べる量を減らしてみま
す。胃腸は空腹を感じるとき、もっとも活発に機能しますから、やがて正常な
排便活動ができるようになります。
応急処置としては、直腸を刺激する体操(左足を曲げて伸ばす体操)がおすす
めです。これは、左足のももで直腸に刺激を与え、排便を促す方法です。
直腸を刺激する体操
1.あおむけに寝て、左膝を深く曲げる。膝頭を、へその真上あたりにくるよう
に両手で抱え込む。
2.左足は伸ばす方向に、手は足を抱える方向に力を入れ、ここで力をためるて
つま先は外側にして足首を固定。
3.手を離して左足を勢いよく伸ばす。このとき全身が脱力した状態になって
る。1回につき1、2回、1日2回(朝・晩)が目安。