先日来られた患者さんが「体に気をつかって、週に2回はお酒を飲まないようにしている」って言っていました。いわば、休肝日というものですね。「だから大丈夫」って言っていましたが、こう思われている方は、休肝日の間に肝臓が回復すると信じているのでしょう。確かに、肝機能は一時的に休めた分、回復はするでしょう。しかし、正直に申し上げますと、肝臓の傷、損傷したところは、実はちっとも回復しないのです。
アルコール自体は蓄積される毒です。だから、その毒は体の中からなくなりません。従って、たくさん飲めばその分肝臓は傷つきます。
その傷が多過ぎて、肝臓の組織が硬く変化することを肝硬変というのですが、その方「気を付けているから大丈夫だ」と言いながらも、少し肝臓を押さえてみると、腫れてカンカンで「痛っ」て飛び跳ねていました。
聞くと、休肝日の次の日はガマンしていた分、反動で沢山飲んでしまうらしいのです。休肝日の意味ないですね~。ホントに…
人が一生涯に飲めるアルコールの量は、大体決まっていて、男性で500kg女性は250kgと言われています。ワイン一本でアルコールの量は0.1kgです。日本酒なら4合にあたります。
これを仮に毎日飲めば、14年で肝臓の限界量に達する計算になります。それ以降は、かなり肝硬変のリスクが高まりますので、気を付けて下さい。